秋田の滝めぐり3  茶釜の滝へ  
 ・ 夜明島渓谷
 ・ 曽利の滝
 ・ 湯瀬渓谷


4日目は今回の旅のクライマックス、茶釜の滝へ






夜明島渓谷 (鹿角市八幡平

日本の滝百選、それを踏破するには100箇所の滝へ行く必要があるのは当然だが、そのなかで茶釜の滝は三大難攻滝のひとつといわれている。(その他は双門大滝・御来光の滝)
双門・御来光を踏破した今、最後の難関(?)となる茶釜。今回の旅はこの滝をどう攻略するかが一番のキーだった。

茶釜の滝へは川ルートと山ルートと二通りの行きかたがある。
・川ルート
夜明島林道最奥から徒歩
鎖場・ハシゴなどの危険箇所がある上に遡行をともない水の中を歩く必要があるので沢靴もしくはスパイク長靴が必要。そのかわり高低差は少なく体力的には楽。途中に多くの滝を見ることが出来る。所要時間約2時間。
・山ルート
国道341号線大場谷地より徒歩。
危険箇所は少なく渡渉箇所が少ないのでトレッキングシューズでも行ける。ただし高低差400mの山越えなので体力的にはきつい。夜明島渓谷下流側の滝は見られない。所要時間約2時間半。

今回は一人旅なので、万が一の事故のことも考慮に入れる必要がある。
特に今年は冷夏で熊のエサが少なく全国的に出没件数が多い。takimiさんは大場谷地で目撃したことがあるとのこと

そこで十和田八幡平観光協会に問合せしたところ
・熊について
特に目撃報告は上がってきていないが、もともと行かれる人が少ないのであてにならない。熊の爪あとなどが残っているので通り道があるのは違いない。対処方法は基本的には鳴り物しかないだろう。
・ルートについて
当日・前日および前々日が雨でなければ川ルートをオススメしている。山ルートは間違えやすい場所あり。熊にも遭いやすい。川ルートはスパイク長靴がオススメ。

ということで川ルートを基本にすることにして、スパイク長靴を家から持っていくことにした。かさばるけど飛行機と車なら途中は問題ないだろう。



前泊は湯瀬温泉の木賃宿。
朝起きて空模様は曇り。運良く前日・前々日とも雨は降っていない。ただし午後からは雨がぱらつく予報。
朝7時に鹿角のコンビニで朝食と昼食を買い込み、川ルートを目差して夜明島川沿いの林道を車で走った。
この林道、途中から未舗装となり、渓谷入口の駐車スペースまでなんと12kmも1車線の悪路が続くので注意。
ただ今回1台ともすれ違わなかった。(まぁ当然かな)

7:30 到着
駐車場には随分昔から停まっている風のジムニーが1台。日曜なのに先客は誰もいないようだ

7:45 入渓
スパイク長靴に熊鈴3個。さらにホイッスルでこちらの居場所を熊に知らせる。
なんせ茶釜の滝へ行く人は年間でも僅かと聞いている。クマがどこにいてもおかしくない。
ちなみに持ってきたレンズはシグマの18-125OSとEFS10-22の2本だけ。望遠レンズを使うことはないだろう。
あとはコンデジでEXIF記録用。

  入渓箇所(帰りに撮影)

約15分で一つ目の滝 泊滝
  泊滝、流木が凄い
この滝の右手(左岸)を高巻いていく

  泊滝

泊滝上の左岸側にハシゴがあり、それを降りたあと右岸に渡る。
ここが一番気持ち悪いところ
  渡ったあと
右岸にも同様に垂直なハシゴがあって、それを登る。

  ハネ滝
このあたりから渡渉を繰り返す。やっぱり長靴じゃないと辛い。
10回までは渡渉回数を数えていたのだが、面倒になって途中で止めた。
ルートには赤テープやペイント、ケルンがあるので間違えにくい

  モッコ滝(滝壺より)
  モッコ滝落口
モッコ滝はルート左岸から見えるが、滝壺へ行くには下流側から遡行しないといけない

  夫婦滝

  ミソギ滝
 
  虎ノ尾滝
この滝から先は渡渉が幾度とある
  川の中を歩く感じ

  ハネ石トビ石?
  〜
  胎内クグリ?

  クグリの滝

  白布滝
白布滝は支流から流れ込む滝

  無名滝 ロープを頼りにトラバース

  同じくトラバース

  トラバース

茶釜の滝と雲上の滝の沢の分岐が見えてきた
  直進が雲上方面、崖の右が茶釜方面

  雲上の滝方面、木製梯子あり

  茶釜の滝方面への沢

まずは茶釜の滝を目指すことにする
持ってきたストックはこの分岐あたりに置いて行く事にした。ハシゴでストックがあると邪魔だ。

沢を進んでいくと程なく立派な前衛滝が見えてくる
  前衛滝
そして滝の横にあるこの垂直バシゴを登れば茶釜の滝テラス
ハシゴは結構高度感があって下を見ると足がすくむほど。ビルの4階へ登るくらいの感じ。
スパイク長靴なのでハシゴに足がかかりにくく、慎重にならざるをえない。

なお上の写真左上の空の部分に茶釜の滝の落口が覗いている。


10:00 ついに茶釜の滝到着

  日本の滝百選 茶釜の滝

 
 EOS KISS X2 & EFS10-22

  足元は狭い尾根の上


 
 位置関係 (スイングパノラマ byTX5)

茶釜の滝テラスはテラスと言っても狭い尾根の斜面で両側が谷。二人すれ違うのも怖い感じだ。
ハシゴが斜面に沿って横に据えてあるのは滑落防止のため。
ただし、逆にそのせいで歩きにくいので注意が必要。僕はここで尻餅をついてマジ焦った。

茶釜の滝は落差100m幅15m。
正面にみていると到達感とともに感動がこみ上げてきた。
とてもきれいだ。

ハシゴに座って少し早い昼食を食べ、滝を満喫してからテラスを降りた。


分岐まで戻り、今度は雲上の滝方面へ進む

  銀線の滝

  雲上の滝

分岐から10分ほどで雲上の滝
雲上の滝は落差60m、夜明島渓谷で2番目に大きな滝で、これだけでも来る価値はありそう。
山ルートを選んだ場合はこの滝の左岸に下りてくるということだった。


11:00
このころから雨がポツポツ落ちてきた。急いで帰途に向う。


途中モッコ滝の滝壺あたりで一人、泊滝の上のハシゴのところで一人とすれ違った。
今から茶釜まで行かれるんですかと聞いたら2名ともそこまでは行かないらしい。
意外にモッコ滝あたりまでは人は多く入ってくるのかもしれない。


12:45 駐車場まで戻ってきた
ゆっくり巡って往復5時間の滝行き。
双門大滝や御来光の滝の時と比べると、とっても楽な行程だった。






曽利の滝 (鹿角市八幡平) 

一旦、夜明島渓谷を鹿角まで戻り、国道341号線を田沢湖方面へ進む。
八幡平へ向うのアスピーテラインとの分岐から、さらに2kmほど行ったところに曽利の滝入口がある。

ちゃんと舗装された駐車場もあり比較的整備されている感じで観光客も多いが、実際は急坂を下りて行くルートであり途中補助ロープに捕まりながら降りるところもあるので、革靴などで行くと後が辛いかも。
滝まで約10分。帰りは20分くらいかかる。

落差は25m。見事な直瀑で裏見滝の形態。見た瞬間に昔の華厳の滝のミニチュアだと思った。
特にこのときは紅葉が美しく、素晴らしい眺めだった。

  

 






湯瀬渓谷 (鹿角市八幡平

この日は湯瀬温泉「鶴の湯」に宿泊、最後の夜なのでリッチに食事付き9450円。
その前に湯瀬渓谷を一巡りしてみた。散策MAP
笹の渡橋のそばの駐車場に車を停め、獅子淵を目差した。

  獅子淵・細滝

  藍桶(あいごが)

なかなか美しい流れだと思う。時間が有ればゆっくり写真を撮ってみたい場所だ。

鶴の湯での夕食はキリタンポ鍋がメイン。しかしなんといってもご飯そのものがおいしかった。
こんなにおいしいご飯は本当に久しぶり。この金額でこの内容なら満足でしょう。

  
  
  
  

湯瀬温泉の泉質はアルカリ性単純泉。源泉温度59度、pH9.1とある。
ただし、アルカリ性単純泉特有のツルツル感というのは感じられない。もともと湯量が多い温泉ではないので、おそらくかけ流しではなく塩素消毒をしているため、そうなったのではないかと思った。



    
 

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