(2023/5/1)

 夫婦滝・貝ノ口滝(鞍瀬渓谷)への道   愛媛県西条市 




今回、久々のロングトレイルだったので、記録を残しておこうと思う。
四国の滝はもう400本以上訪れてはいるものの、この滝が未訪であることが以前からずっと気になっていた。

この滝へのルートはNETにいろんな人の情報があるのだが、夫婦滝まで片道にかかる時間が早い人で2時間半、遅い人だと4時間半。そこには随分の開きがある。これらを考えると、夫婦滝・貝ノ口滝の両滝を訪れて12時間程度の余裕を持っていた方が良いということになりそうだ。また、帰りにヘッドライトが必要だったというグループもあるようだ。しかし初めてのルートをヘッドライトで歩くというのはなんとも心もとない。
ということから、念のために早朝からスタートすることを計画した。

2023/4/30。前日の夕方に福山を出発。西条市の「ザ・ごはんやさん」で夕食をとり、19:00には道の駅の「石鎚山ハイウェイオアシス」に到着。車中泊することにした。

翌日は3:30に起床、朝食をとったのちにコンビニにたちよって昼食や行動色の準備を行い、鞍瀬渓谷の出発口に向かう。到着は5:00。まだ薄暗い状態。ここはバスの転回場となっているので邪魔になりそうもないところに車を駐車する。





登山口はすぐそこ。しかし気になる看板を発見した。入山禁止???






ちょっと調査不足だったかもしれない。
しかし、まぁ自分にとってはいつものことではあるけれど、通れるかどうかは自分の目で判断することにして、行けそうになかったらその時に引き返すことにしよう。
念のために予め「コンパス」に登山届を登録しているので、もし夜までに帰還の報告が無ければ家に連絡が行くことになる。
ごめんなさいと心でつぶやきながら、さっそく出発準備に取り掛かった。


今回の装備としては、ザック(TNFテルスフォト40)の中に
・レインウェア、ウインドシェル、防水靴下、ザイル15m+10m、カラビナ1、ヘッドライト、緊急用アルミシート、ピンクテープ、笛、予備バッテリー、タオル、ティッシュ類
・昼食用おにぎり・バナナ・ウィダーインゼリー・チョコ、アクエリアス(500ml)・ブラックコーヒー(390ml)
・撮影道具はカメラEOSkissM2+レンズEF-M11-22・15-45・55-200の3本、PL及びNDフィルター、三脚(マンフロットMKBFRTC4)、さらにドローン(Mavic-Mini)
・その他、足元はモンベルのマウンテンクルーザー400にスパッツ。キャップ、手袋およびストック2本
出発前に虫よけスプレーをしっかりと振りかけることも忘れずに行った。



全ルート

全行程(山旅ロガー)
合計時間:10時間20分
平面距離:12.59km
沿面距離:13.99km
最高点の標高:773m
最低点の標高:355m
累積標高(上り):2237m
累積標高(下り):2236m
標高データの種類:地理院標高

Google全行程MAP



出発はほぼ明るくなった5:25
川まで下っていく


15分程度で川まで下ってきた


そして対岸に案内板が見え、いきなりの渡渉
ウロウロ濡れずに渡れるところを探したけれど、どうしても見つからない
最初から足を濡らしたくないので、最低限で済むようにいろいろ考え、ゴアの靴にスパッツなら1秒程度なら5cmくらいの水深でもきっと大丈夫だろうということでタカをくくって岩飛びすることにした。これは成功!


左岸から右岸に渡渉したわけだが、しかしこの後何度も渡渉する羽目になる。
いずれも対岸に看板等の目印があるので、往路については渡渉場所を間違えることは無いだろうと思う。
逆に帰路は、後ろ向きに看板があるところを対岸に渡渉することになるので、注意が必要

2回目 (右岸→左岸)


3回目(左岸→右岸)ここも少し水の中に入った


4回目(右岸→左岸)


5回目(左岸→右岸) 6:45、出発から1時間20分。ここまでほぼ川沿いのルート

対岸に梯子が見えており、さらにゴルジュの先にも梯子が見えている
対岸に渡ったのちに梯子を登ると、崖をトラバースできるように丸太2本を並べた足場が続いていて
その先にある梯子をまた降りることになる。
特にこの丸太の上では滑らないように緊張することになる。
尚、この場所が貝ノ口滝分岐までの約半分の距離の場所だ。




5回目の渡渉が終わると右岸についた道は徐々に川から離れていき高度を上げてくる。
要所に赤テープ・トラロープ・梯子・看板等があってそれらを見失わなければ問題ないルートだった。


やがて懸案の橋の崩落ポイント(登山口から1時間50分)



しかし、橋といっても細い丸太を3本重ねたもの。
もしかしたら人の重さで折れたのではないかという気もした。
自分にとっては比較的簡単に上部を巻くことが出来たが、高度は結構あるので
もし滑ったら無傷ではいられない。
慣れてない方は引き返した方が良いかもしれない。




7:35、登山口から2時間10分
「足元に気を付けてイッテラッシャーイ。モウ後1時間」と書かれた案内板。
ただ、今回結果的にはあと1時間半かかった。

正面に置かれたアルミ梯子

道は正面ではなく、左斜め後ろ方向に続いている

ここから九十九折りの登りとなる。
折り返しは都合4回。ここからが頑張りどころ



貝ノ口滝分岐

8:24、登山口から3時間。やっと貝ノ口滝分岐のある枝沢にたどり着いた
この途中でマムシにも遭遇


梯子を登ると夫婦滝方面、枝沢右岸を降りると貝ノ口滝方面となるが、
今回は先に夫婦滝方面に向かうことにした。



貝ノ口滝分岐からやや道は険しくなるので、歩く際に注意が必要。
右岸側の馬の背(尾根)を越えるようになるので最初は梯子やロープを使う急な登りとなる。
尾根を越えるとやがて川まで道はおりてくるが、そこで結構立派な前衛滝が見られた。

前衛滝 8:55







夫婦滝

貝ノ口分岐からストレートに夫婦滝まで来たとすれば約40分。
つまり今回は登山口から夫婦滝までストレートに来たとすると3時間40分かかったことになる。
平均的なタイムかもしれない。





夫婦滝は落差約40m。右側が雄滝、左側が雌滝。
雌滝はさらに上段があるように見える。
滝下は豪快な雄滝の水飛沫によってレンズを向けられないほどの状態。
それにしてもこれだけの滝が2本が並んで落ちているのを見るのは壮観だ




夫婦滝撮影後は貝ノ口分岐まで戻り、そこにある枝沢を下っていく。急坂だ

最初は右岸、途中で左岸側にわたり、小滝の上を再度右岸側に渡るように
赤テープが続いている。このあたり見失わないようにすること。

小滝


小滝の上側を右岸側に渡るとそこにロープがおりていて、それに沿って一旦斜面を登ると
今度は下に向かって下降するアルミ梯子が設置されている。
梯子を下りるとそこから本流まではすぐだ。
貝ノ口滝分岐から貝ノ口滝までは約20分。
逆に帰るときは梯子を登ったらすぐに右にあるロープを降りることを忘れないようにすること
自分は間違えて、さらに梯子の上方に向かってしまった。(上方にあるのが赤テープだと思ったら実際は椿の花だった。この時期は色が似ているのでとても紛らわしい)




貝ノ口滝



貝ノ口滝は落差15m。両岸を高い崖に挟まれ、その間を縫うように水が落ちてくる。




この滝壺はとても印象的。縁が丸く盛り上がっていて、これが貝に見えるということから
貝ノ口滝と名前が付いたのではないかと想像できた。水がまたとてもきれいだ。







帰途について
貝ノ口滝を出発したのが12:15
5回目渡渉ポイントのゴルジュが14:00
車に戻ったのが15:45。

結局、貝ノ口滝から登山口まで往路よりも長い3時間半もかかってしまった。
というのが、帰りは本当に疲れはててしまい何度も何度も休憩をとったということが原因。
さすがに最後の渡渉はジャンプする元気もなく、水の中をジャブジャブ進むことになった。
久しぶりのロングトレイルは自分の体力の低下を否応なく感じさせたわけだが、余裕をもって早めに出発したおかげで、無事に何事もなく帰還できて本当に良かったと思う。
ゴールデンウィークででありながら往復約10時間の間、誰一人とも遭遇しなかったので、訪れる方はそのつもりで

車に戻ってから「コンパス」に帰還の連絡を送る。
その後、湯ノ浦温泉に立寄ってゆっくり足を揉み、今治でラーメンを食べ、しまなみ海道を通って自宅に向かった。運転は眠くてだるくて辛かったけど、車にクルーズコントロールが付いているのがとてもありがたかった。





さてさて今回の反省点

1.前々日に雨が降っていたので水量が多いことは想像できたし、渡渉が厳しくなることも想像できていた。渡渉の際はビーチサンダルなどを持参して、履き替えて渡るのがベストだったと思う

2.5月なのに水分は500+390mlでは不足した。川の水も試しに少し飲んでみたが、硬水なのかあまり美味しくなかったので結局ほとんど飲まなかった。合計1.5L程度はやはり持って歩く必要があった

3.あまりに疲れるとおにぎりが喉を通らなくなるということを経験した
バナナおよびウィダーをもっていて良かったと思った

4.往路でタオルを紛失した。帰途で発見して回収できたが、絶対に落ちないように注意せよ

5.実は貝ノ口滝でドローンを飛ばす予定にしていたのだが、実際飛ばそうとするとファームアップを要求され、結局飛ばせないという羽目に陥った。
ドローンは充電を含め予め家で一度飛ばしてみて確認しておく必要がある。
飛ばすことが出来なければ、ドローンはただの錘だ





    
 

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