南紀の滝

南紀は本当に滝の宝庫。
和歌山県および三重県南部の滝14ヶ所をご紹介。
八草(はそ)の滝(日本の滝百選)
八草の滝は白浜温泉から南東の日置川沿いにある。
川沿いに車を走らせると小さな看板があり、その道路沿いからしか滝を見ることは出来ない。
百選にしては目立たないので見過ごしてしまわないよう注意が必要。
直瀑、高さ50m。水量が少ない。
琴の滝
琴の滝はすさみ町の古座街道(県道38号線)から広瀬渓谷に入り、遊歩道を進むと見える。
「すさみ八景」のひとつ。
この周参見川支流の広瀬渓谷には、大小10余の滝があり、最上流が琴の滝となっている。
また、この渓谷は和歌山県自然環境保全地域に指定され、動植物が保護されている。
名前のようにやさしいイメージの滝。
直瀑、高さ20m。
雫の滝
雫の滝は古座街道(県道38号線)をさらに古座方面に進んだところの道路脇にある。
こちらも「すさみ八景」のひとつ。
水量が多く、なかなか見ごたえのある滝だ。
名前には全く似合っていないと思う。
2段、高さ30m。
まぼろしの滝
「まぼろしの滝」は古座川町の北のはずれ西川から大師山の南麓に向かって進むと小さな標識があり、
そこからはこの滝へ向かう専用の道が数キロ続いていて、駐車場からは徒歩5分程度。
もちろん今は幻ではなくなっている。
昔、見つけた人から「那智の滝より米1俵分低い」といわれていたそうだ。
垂直な崖の上からから水がほとんど飛沫のような状態で飛び出し、壁面にはほとんど触れずに滝つぼに真っ逆さまに落ちていく。
写真の壁面の白いものは氷でつらら状になっており、滝つぼに近づくとザザッと落ちてきたりしてびっくりする。
滝つぼの周りの岩には氷が3cmくらいの厚さに固まっていた。
これが本当の直瀑だといわんばかりで見事。
落ちていく滝が風に吹かれて左右に揺れるのが神秘的で印象深い。
百選でも決しておかしくない滝だ。
直瀑、高さ63m。
宝竜滝
宝竜滝は「裏那智」ともいわれ那智山のちょうど裏側に当たる熊野川町滝本にある。
しかし、那智の滝の方からではなく国道168号から県道44号「那智勝浦熊野川線」に入る山道を選んだ方が良い。
「滝本四十七滝」といわれるほど滝が多い場所で、そのクライマックスがこの滝だ。
上の写真で正面に見えているのは「一の滝」(51m)で、上段の「二の滝」(2段)がわずかに見えている。
水量が豊かで壁面の苔が美しい見事な滝だ。滝つぼも美しい。
百選でもおかしくない滝。
段瀑、高さ95m。
鼻白の滝
「鼻白の滝」は国道168号線沿い熊野川町の「はなじろ茶屋」から西に田長谷林道を進むと程なく橋があり、
そこから遊歩道を登れば5分ほどで滝壷まで行くことができる。
また橋からさらに車で林道を登れば滝の全容を正面から見渡せる場所に着きそこにはベンチがおいてある。さらに進めば滝の上流まで林道が繋がっている。
水量が豊富で雄大な2段の滝。一ノ滝(下段)が45m、二ノ滝(上段)が38mの高さとなっている。
「鼻白の滝」という名は、昔この滝に鼻の白いウナギが住んでいたことに由来するそうだ。
この滝も百選レベル。
2段、高さ83m。
陰陽の滝
那智四十八滝の一つ。
東の谷(大渓流)を代表する滝で熊野古道「大門坂」の上り口から少し那智の滝側に渓流の入り口がある。
二条に落ちるところから陰陽の滝もしくは夫婦滝と言われる。
澄んだ滝壺を持ち、流れに特に趣があって美しい。
変則、高さ20m。
那智の滝(日本三名瀑、日本の滝百選)
那智四十八滝の「一の滝」。
言わずと知れた日本三名瀑のひとつ「那智の滝」。
熊野那智大社は元々この滝を神とする自然崇拝から起こっており、滝の前には那智大社の別宮である飛瀧(ひろう)神社が鎮座している。那智の滝はこの飛瀧神社のご神体で、本殿や拝殿はなく直接滝を拝む形になっている。
まさに日本一の直瀑で壮大荘厳な眺め。神と崇めるというのにいささかの不自然さもない。
特に青岸渡寺の三重塔と一緒に眺める景色はなんともいえず厳かだ。
2004年熊野古道と共に熊野那智大社・青岸渡寺・那智の滝も世界遺産に登録された。
また、滝の背後には那智の原始林が広がっており、国の天然記念物に指定されている。
夏に訪れると滝の壁面に苔が広がりまたそれも美しい。
直瀑、高さ133m。幅13m。
桑ノ木の滝(日本の滝百選)
熊野川の支流高田川にかかる「桑ノ木の滝」
この滝も八草の滝と同じく百選でありながら標識等が無く非常にわかりにくい場所にあるので、事前調査が必要だ。
国道168号から相賀橋北交差点を高田川沿いに西に入り、約2kmの地点に標識があるのでそのあたりに車を停め、遊歩道を約15分歩くと着く。
百選にしては小さな滝だが水の流れがとても美しく趣が深い。
周りの苔もなかなか良い。
百選に選ばれる理由は行かねばわからないだろう
直瀑、高さ21m。幅8m。
高滝
桑ノ木の滝に行く途中の道路脇、熊野川の支流高田川沿いにある。
直瀑、高さ15m。幅4m。
白見の滝
国道168号沿い「はなじろ茶屋」の近くにある。
直瀑、高さ15m。
松山の滝
三重県紀和町の「布引の滝」へ行く途中に看板がある。道路沿い。
段瀑、高さ30m。
荒滝
三重県紀和町の「布引の滝」へ行く途中の道路沿い。布引の滝の下流にあたる。
水量もあって男性的。
分岐瀑、高さ40m。
布引の滝(日本の滝百選)
三重県紀和町の「布引の滝」
国道168号線から三和大橋をわたり約30分。荒滝の上流に布引の滝はある。
3段の非常に優美な滝で特に下段の滝は文字通り糸を引いているように見える。
静かに花崗岩の一枚岩の上を水が滑って落ちていく姿は絶景。
さすがに百選だけある。
この滝、以前は修験道の行場であったらしい。
3段しか見えないが実は4段で、1段目から12m、3.5m、7.7m、29.1mとなっている。
四段、高さ53m。

|