大杉谷へ 1 ・・・・大台町の滝群
・ 水呑不動滝
・ 十八ヶ滝
・ 滝頭不動滝
・ 鮎返しの滝
・ 春日谷不動滝
・ 雲母谷の滝
・ 矢知山谷の滝
・ 腰折滝
・ 大熊谷不動滝
・ 定入滝
・ 奥伊勢フォレストピア
2012年4月
早戸大滝と北精進ヶ滝をクリアし日本の滝百選も残すところあと一つとなったわけだが
実は100滝目の七ツ釜滝行きの計画も同時進行させていた。
大杉谷は日本三大渓谷および日本三大秘境の一つ。本州で最も雨が多く降る地域としても有名な場所だ。
そして百選滝最後の七ツ釜滝はその大杉谷のほぼ中央部にある。
ここへ向かうには2つのルート
1.下流側、宮川発電所から千尋滝・ニコニコ滝・桃の木山の家経由・・・・約5時間
2.上流側、大台ケ原から日出ヶ岳・粟谷小屋・堂倉滝・光滝経由・・・・約6時間
が考えられる
ただここに至る登山道は2004年の台風21号によって各所が崩落し、特に光滝付近の大崩落と桃の木山の家下流にある平等ー吊橋の崩落は致命的で、まったく通行できない状態が続いていた。
この期間に日本の滝百選踏破を目指した輩達は通行止めの警告を無視し危険を犯し、いつ岩が落ちてくるかわからない崩落地帯を通って大台ケ原から七ツ釜滝へ強行突破している。
そして現在8年間の歳月を経てやっと新しい平等ー吊橋が完成し、2012年4月28日、全ルートの内、宮川発電所〜七ツ釜滝までが開通することになった。あわせて桃の木山の家も営業を再開されるそうだ。
今回の大杉谷行きは自分にとって百選滝踏破の特別な旅ではあるが、さらにこだわりの滝が2つあった。
ひとつはニコニコ滝。以前入院していたときに作ったシシ渕からニコニコ滝を映した写真のジグソーパズルが好きで、ずっと自分の家に飾っていたのだ。ニコニコ滝は横顔だけを覗かせていて、深山幽谷の深い谷に落ちてくる水飛沫がとても神秘的で清涼感に溢れていた。
もうひとつが六十尋滝。こちらはテレビで見た六十尋滝にかかる虹がとても美しかったことが忘れられないのだ。朝8時頃にこの滝に行けば虹が見られる可能性が高い。
宮川発電所から七ツ釜滝まで往復10時間という距離は日帰りできない距離ではないだろうが、今回は(以前双門大滝に一緒に行った)たけちゃんの同行もあるし、結局以下の計画を立てた。
1日目:大台町の滝を見ながら、大杉谷に近いところで宿を取る
2日目:朝8時にあわせて六十尋滝、9時:宮川発電所出発→15時:七ツ釜滝→16時:桃の木山の家(泊)
3日目:桃の木山の家8時頃出発、ゆっくり帰る
これなら計画に無理はないし、土日を利用すれば1日だけ会社を休めばすむことになる
決行日は5月26日に決定
ところが1日目の宿探しに苦労をした。
なんせ近くに安くていい宿が無い。楽天やじゃらんでは1万円以下の宿は松阪市街か尾鷲しかないのである。
結局相談の結果、奥伊勢フォレストピアを予約することにした。
ちょっと贅沢だけど、そこの温泉とフランス料理は百選達成の前祝だ。昼食分のおにぎりも用意してくれるらしい。
一方mixiにこの予定を記入したところ、tekuchonさんが関東からはるばる参加したいとの連絡。
行程は人数は多いほうが楽しい^^
待ち合わせは宮川発電所前に9時
しかし物事なかなか予定通りには行かない
3日前になってたけちゃんから連絡。なんと捻挫をして松葉杖状態になってしまい、行けそうに無いとのこと
ひゃ〜〜キャンセル料がかかっちゃうよ・・・・
5月26日
早朝から自宅を出発、近畿道から南阪奈道を通り、R166で東吉野村から三重県に入る。
さらに飯高町からR422を通り湯谷峠を超え大台町に入った。
水呑不動滝 (三重県多気郡大台町栗谷)
大台町最初の滝は水呑(みずのみ)不動滝。
落差は5m程度だけど信仰の滝で、不動明王の化身として白蛇が現れ滝に祀れば家内安全を守るといったという言い伝えが残っている。


十八ヶ滝 (三重県多気郡大台町栗谷)
水呑不動滝の手前1.3kmの分岐を東の沢沿いに250m進むと川の下に十八ヶ滝を見ることができる。
僅か1.5mほどの小さな滝なので、滝名が付いているということはおそらく昔は高い滝だったのではないかと想像した。

滝頭不動滝 (三重県多気郡大台町薗)
奥伊勢フォレストピアからそのまま奥に向かって5kmあまり、
道はどんどん悪くなっていき、最後の2.5kmは未舗装の悪路。4WDじゃないと心配になる道だ。
滝前300mにPがあって、そこからはすぐ到着。
この滝はフォレストピアからの往復3時間コースのハイキング客も多い様で、車で来る人よりも歩いてくる人のほうが多かった。
落差40mの立派な滝だった。


鮎返しの滝 (三重県多気郡大台町神滝)
宮川本流にかかる滝で水量が多いが、落差はあまり無く渓流瀑布の部類だ。
実はこの滝、本流にかかる滝だとわかっていながら一日目には探し当てられなかった。
大杉谷からの帰りに地元の人に聞いてやっと見つけることができた滝である。
R422を通るのではなく南側の県道を通るのがポイントで、畑の中に川に向かって入る道が付いている。
バス停の「南滝口」というのが目安になるかもしれない。
地元の人もめったに見ることが無いそうで、「あの台風でどんなになっているかわからん」と言われていたが、ちゃんと水飛沫を上げる渓流瀑が残っていた。

春日谷不動滝 (三重県多気郡大台町大井)
春日谷不動滝は春日谷をそのまま上流に向かって進めばあるとのことだったが、あいにくこの一帯で大規模な工事が行なわれていて場所が良くわからない。あきらめかけたそんな折にたまたま対岸を眺めていたところ祠と滝が見えた。おそらくこの滝が春日谷不動滝だと思う。
落差は30m近くあるのだろうが、工事のせいで悲しい姿になっていた。

雲母谷(きららだに)の滝 (三重県多気郡大台町滝谷)
R422対岸の県道を西に向かって走っていると、河原側の木々の中に「おっ滝の森」という看板がある。
ここに車を停めて、川まで歩いて行くと対岸から雲母谷の滝が落ちている。
実は最初R422を進んで滝を探そうとしたら、橋の下に滝が落ちていて、傍の家の人に「これがおっ滝ですか?」と聞いたら、「おっ滝というのは対岸の地名のことで滝ではありません。ここはキララ谷です」と言われた。
というわけで正式名は雲母谷の滝ということらしい。
水量がある滝で、落差は8m。

「おっ滝の森」の看板 橋の上から見下ろしたところ

矢知山谷の滝 (三重県多気郡大台町滝谷)
雲母谷の滝の並びで300mほど西側に矢知山谷の滝は落ちている。
R422を西に進むとトンネルがあってそこが通行止めになっていたのだが、ちょうど通行止めのところの橋の下にこの滝は落ちていた。
R422対岸の県道の「おっ滝の森」看板から西に300mほど行ったところに「矢知山谷出合」という看板があり、そのあたりから対岸を見ると発見できる。

左の小さい看板に「矢知山谷出合」と書いてある。 真上から見下ろしたところ

腰折滝 (三重県多気郡大台町滝谷)
大熊谷不動滝へ行く途中にある滝で落差20m。
実は初日に行こうとしたのだが、道路が通行止めで一旦あきらめていた。
ところが翌日tekuchonさんに聞いたところ、「昨日、腰折滝から大熊谷不動滝・夢幻滝まで行った。通行止めのところから谷の入口まで歩いてさほど距離は無かった」とのこと
というわけで大杉谷からの帰りに再チャレンジした。

2日後に訪れたときはこの通行止めのバリケードは無く、そのまま進むことができた。
一旦大熊谷右岸に沿って車で進むが、右の写真の(木の階段が見える)ところで車を停め、そこから対岸に渡って階段を登り右の谷(東俣谷)に入っていく。
踏み跡をたどり、そこから約20分で腰折滝だが、途中の道程はきれいな小滝があったりして全く飽きない。

小滝
腰折滝
大熊谷不動滝 (三重県多気郡大台町滝谷)
腰折滝の右岸を巻いて滝上に出ると、細い木を渡した渡渉箇所がある。
結構おっかない
恐る恐るこれをクリアして、ロープにつかまって岩を登ると大熊谷不動滝が正面に見える。
これが見えたときはちょっと感動した。

すごいスケールの滝だ。
大杉谷の滝を見た後でも決してひけをとらない滝だと思う
大きく見て3段。落差は60m

(この位置からだと上段は見えない)
ところがこのあたりで空が急に暗くなってきた。遠くでゴロゴロと雷鳴が響く
写真を撮っていたら、ポツリと雨粒がカメラに落ちた。 ヤバイ!!
大熊谷不動滝のさらに上流には夢幻滝という滝があるはずなんだけど、これ以上は危険。
そこからあわてて引き返すことにした。
東俣谷入口の階段のあたりまで帰ったところで土砂降りに!
もう一歩も動けないくらい。さすが多雨地帯!
大きな木の陰で雨をやり過ごそうとするが、それでもビショビショ。
カッパを着るタイミングさえ失ってしまった。
しばらくしてスコールが過ぎ雨足が弱くなってきたところで車に急いで引き返した。
この滝、もう一度リベンジしたいものだ。
定入(じょうい)滝 (三重県多気郡大台町久豆)
定入滝は宮川ダムのすぐ下流側、R422からはるか下に見下ろすこともできる滝。

定入(じょうい)とは入定(にゅうじょう)のことで、真言密教で生きたまま土の中に入り即身仏(ミイラ)になることだ。
以前入定したという覺算坊法印の碑がこの滝のそばにあることから名付けられた。
今回行った時は滝下に行く道が工事中だったのでやや危険を伴ったが、近いうちに簡単に行けるようになるだろう

定入滝を見た後は、翌日行く六十尋滝と宮川発電所前の下見をしてから奥伊勢フォレストピアに向かった。
奥伊勢フォレストピア (地図)
大杉谷峡谷登山プラン(1泊3食付)の宿泊費は約12,000円。下山日の温泉入浴付。
なかなかいいところでした

お料理は

肉料理は
・黒毛和牛のフィレステーキマディラソース
・宮川産鹿肉のロティ、野菜の蒸煮
のいずれかを選択することになっていたが、もちろん宮川産鹿肉を選んだ。
「鹿はやっぱりわるさをするんですか?」と聞いてみたら、数年前は酷かったけど、最近は少なくなってきたんだそうだ。大台ケ原の鹿は我が物顔だけどねぇ・・・・・
尾瀬の保存会の人は鹿が増えて生態系を崩すということで駆除に困っておられるし、天滝では自分も車で轢きそうになったことがある。なんせ鹿がいるところにはヒルがいるので、個人的にはどうも好きになれない動物だ。
鹿を減らすことには協力しないといけない^^;;;
まぁそんなことはどうでもいいけど、ここのフランス料理はどれも非常に美味しかった。
自分の地元でもこれだけのものをレストランで食べようと思ったら5000円以下ということはありえない。
最初、宿泊費は高いと思ったけど、これならリーズナブルですね




また、ここのお風呂はとても立派で、湯船も薬草風呂含めいろんな種類がたくさんあって広い。
もちろん露天風呂もあるのでゆっくり温泉を楽しむことが出来た。
尚、源泉の泉質は含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉となっていてPh=6.5、温度25℃
塩素消毒の循環式
温泉だけの日帰り入浴も可能で、大人600円となっている。(11:00〜22:00) ※NETに割引券有り
大杉谷からの帰りにお風呂だけ利用するのもアリだと思う。
引き続き ――― 大杉谷へ2・・・七ツ釜滝へ

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