ウラオレ谷の滝へ  (2016/10/2)


広島県の滝ももう300本を超え、未訪の名のある滝も少なくなってきた。
沢屋さんの好む厳しい遡行ルートも、細見谷・奥三段峡・アカナメラ谷とクリアした。
そんな時、沢屋さんのHPを見ていたら、広島県に「ウラオレ谷」という谷があり、そこに滑滝・屏風滝・三つ滝という3本の滝があることが判明。
未訪の滝でありさらに遡行ということであるなら、水が冷たくなる前の今のうちにということで、早速行ってみることにした。

ウラオレ谷は安芸太田町の那須村の奥、十方山の北東の麓に当たる。
那須村は過疎が進み、現在ではお年寄り6人しか住んでいないのだそうだ。
このままではいずれ村が消滅してしまうだろう。
それに対し地元では村おこしでギャラリーを設けたりして、村の存続を図ろうとされている。

ここでは廃校となった入母屋造りの小学校が保存されていて、なかなかの風情だ。
 

その小学校の前を通ってアスファルトの道を最奥まで進んだところに広い駐車スペースがある。
 

ここは十方山の那須登山口にあたるのだが
 
良い季節の日曜日。朝の9:30に一台も車が停まっていないということは、あまり人気の登山ルートではないのだろう。

そこに車を停めてウラオレ谷を目指す。
 

駐車スペースからアスファルトの道を戻り、カーブのところから川の右岸に沿って進んでいく。
  9:32 谷の入口

途中石垣が残っているので、以前は人が入っていたのだろう
  9:35

ほどなく入渓となる
  9:38

以下、こういった感じの緩やかな谷を右に左に歩きやすいところを探しながら進んでいく。
一人なので何かの事故があっては帰られなくなる。あくまで慎重に。
  9:42

  9:46

  9:59

  10:27 岩を抱えた木

この辺りから谷の幅が狭くなり谷も急になってくる
  10:59

  11:20

  11:46

そろそろ疲れてきたと思ったその頃、急に滑滝が現れた。

滑滝   12:06
 
ゆるい傾斜で長さは100m近くあるだろうか
いきなりでちょっと感動した。

滝は細かな階段状になっていて、滝の中をそのまま歩いて登っていくことができる
この谷の遡行は長靴でも出来るレベルではあるが、フェルトの底の沢靴で濡れながら行くのがベストだろう。

一番上に見える小滝を左側からクリアして滝の上から下流を見ると
 

そこから30mほど上に行くと、障子滝が見えてくる


障子滝 12:38
 

落差は7m、こちらも階段状になっていて、滝を直登することができる
その上に見えている細い滝はこの谷の主瀑である三つ滝なのか??

ところが、障子滝の上に出てみるとびっくり。
谷の左側にまさに本物の三つ滝が見えていて、右側の滝は単なる脇滝であることがわかった。

 


三つ滝   12:58
 

三つ滝は3段で総落差約50m。
これほどまで大型の滝が広島県にあってほとんど知られていないということに驚く。
主瀑の三つ滝は同じ十方山の南麓にある瀬戸滝とほぼ同程度のスケール感であり、その前にさらに二つのユニークな滝が付いていて何度も楽しめるのだ。

これだけ良い滝なのに観光化されていないというのは実にもったいない限り。

今回写真を撮りながらゆっくり進んで3時間半もかかってしまったが、実際の距離としてはわずか1.3kmしかない。
もしちゃんとした遊歩道がついていたならば、30分程度で三つ滝まで歩けるのではないだろうか。
瀬戸滝にちゃんとした遊歩道が付いて観光化されて一般にも有名になっているのと対照的に、こちらの滝は未開で、滝好きの間でさえほとんど知られていない。

私個人としては、那須の村おこしに是非この滝をメインで使ってほしいものだと考えてしまう。
それほど素晴らしく、感動をくれた良い滝だった。

ルート

    
 

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