天川は修験道の聖地。修験道ではいろんな修行を行うので知られているが、その修行の中でも一番過酷であり最高修行とされているのが大峰奥駆修行。吉野山から現在でも女人禁制の大峰山(山上ヶ岳)・弥山・八剣山・釈迦ヶ岳を巡り前鬼に至る道なき道(大峰奥駆道:世界遺産)約150kmを進むものだ。その中心となる大峰山系が全て天川村にある。そしてさらにその最高峰八剣山・弥山に端を発する弥山川に双門の滝がある。
山伏のまことちゃんが何度も双門大滝に呼ばれたというのはとても納得できる話なのだ^^;
弥山の山頂には弥山神社があるが、かつて大峯修験道の祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が、山上ヶ岳で修行中に感得した弁財天を大峰山系の弥山の頂上に大峯の鎮守として祀ったのが始まりで、この弁財天を天武天皇が現在地に社殿を建立して移したものが今の天河弁財天社だ。だから弥山神社は天河弁財天社の奥宮として今も信仰を集めている。
また天河弁財天社は厳島・竹生島の弁財天とならび日本三大弁天の筆頭とされており、古くは「天ノ安川ノ宮」と呼ばれ天川の名前の由来にもなっている。
ここは芸能の神様。立派な能舞台があり毎年能が奉納される。
じつはこの神社かなり前からマスコミや音楽関係者たちのあいだでは信仰されていたらしい。長渕剛と志保美悦子がお忍びでここで結婚式を挙げたそうである。後に映画化された内田康夫の小説「天河伝説殺人事件」の舞台となって一般の人にも知れ渡る様になったそうだ。(僕もこのおかげで知ることになったのだが)
その小説にもでてくる「五十鈴」はこの天河弁財天のシンボルともいえるもので、由来としては天照大御神が天岩戸にこもって世の中が真っ暗になったとき、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が神代鈴が付いたちまきの矛をもって天岩戸の前で舞を舞い、それ見たさに天照大御神が岩戸を開けたことにより天地がまた明るくなったという伝承のなかで、天宇受売命が使用した神代鈴と同様のものであると伝えられている。これが芸能の神と言われる由縁でもある。
通常神社には丸い鈴があり、その丸い鈴を鳴らしてから願をかけたりするが、ここの鈴(五十鈴)は形が変わっている。鈴3つが正三角形上に金属の輪で水平に繋がったもの、それが上下2段になっているのだ。
鳴らし方がまた難しく、知らない人は五十鈴を鳴らすことはまずできないだろうと思う。
綱を五十鈴にある輪の中で擦りあわすように振り回すのだ。鈴そのものを回すのではない。
うまく回すとウオーンといううなるような不思議な音がする
http://www.tenkawa-jinja.or.jp/yuisyo/yuisyo1.html |